交通事故の損害賠償や保険金などの話し合いは、そのほとんどが示談交渉によって決着がつきます。仮に裁判にまで発展しても、話し合いが数年単位にまで及ぶことは少なく、この場合にも和解交渉としての示談によって決着がつくことが多いです。しかし、示談交渉が滞りなくスムーズにいけば苦労しませんが、トラブルに見舞われることもしばしばあります。その原因とよくある代表例について見ていきましょう。
示談交渉でトラブルが発生しやすい原因は、被害者と加害者の損得勘定(感情)が働くからです。被害者は出来るだけ多くの賠償金や保険金を受けとりたいと思うのに対して、一方の加害者の方も出来るならば最低限の出費に抑えたいと考えます。このように、両者が相反する考えを有しており、しかもそれがお金に関わる問題なので、話し合いがスムーズにいかなかったり、トラブルに見舞われたりすることが多くなります。
よくあるトラブルとして、まずは後遺症関連のものが挙げられます。特に被害者になってしまうと、交通事故に遭った当時は痛みを伴わなくても、少し落ち着いた頃にむち打ちなどの後遺症に見舞われることがあります。この場合、後遺症の程度に応じて損害賠償や保険金などの金額が決定し、さらに医療費などの請求にも関わってくるため、慎重にならざるを得ません。しかし、むち打ちなどの後遺症は医師が判断するのであり、しかも非常に主観的にならざるを得ないため、自分が納得のいく結果にならないことがあります。このようなことが、示談交渉の話し合いにトラブルを及ぼす原因になり得ます。
加害者側の原因によって示談交渉のトラブルが起きる例としては、加害者が損害賠償や保険金などの金額に納得してくれないことや、保険会社などを介さずに交渉しようとしてくること、あるいは保険に入っていないために、支払い能力に乏しいことなどが挙げられます。